顎関節症に対する鍼灸治療

こんにちは!

女性のための鍼灸サロン・ラドマーニです

コロナ禍を境に、噛みしめや食いしばりによる頬のこわばりを感じる方が増えたように感じます

噛みしめは夜間の就寝時だけでなく、昼間仕事で集中しているときにもしている方が多くみられます

今日は、食いしばりや歯ぎしりと顎関節症の関係性、そして顎関節症への鍼灸のアプローチとその効果について書きたいと思います

食いしばり・歯ぎしりと顎関節症

食いしばりや歯ぎしりは、夜間の無意識の癖や日常のストレス、姿勢の悪さなどが要因となります。
その結果、咬筋・内側翼突筋などの咀嚼筋の過緊張が起こり、顎関節症につながります。症状としては、

  • 顎の痛み

  • 口の開閉制限

  • 顎関節のクリック音

  • 慢性的な頭痛や肩こり

などがみられます。


鍼治療の作用

鍼は、筋肉や神経、血流に多方面から働きかけます。

1. 筋肉を直接ゆるめる

  • 下関(げかん):頬骨下のくぼみ。咬筋の緊張をほぐす

  • 頬車(きょうしゃ):下顎角のやや前方。食いしばりで硬くなった咬筋を直接緩める

  • 翳風(えいふう):耳たぶの後ろのやや下にあるくぼみ。顎関節周囲の血流改善や筋緊張の緩和に有効

これらのツボを刺激すると、咬筋・内側翼突筋の緊張が解け、顎の可動域が改善します。

2. 痛みを抑える

鍼刺激によって、脳内でエンドルフィンなどの鎮痛物質が分泌され、顎やこめかみの痛みをやわらげます。

3. 血流改善

筋肉の硬さを解消し、局所の血流を促進することで、疲労物質(乳酸など)の代謝が進み、痛みやだるさが軽減します。


ストレスとの関係

食いしばり・歯ぎしりは、精神的ストレスや自律神経の乱れによって悪化することが多いです。
鍼灸には、

  • 副交感神経を優位にする作用

  • ストレスホルモン(コルチゾール)の抑制

  • セロトニンやオキシトシンの分泌促進によるリラックス効果

があることが研究で示されています。

そのため鍼治療は、局所の筋肉の緊張を取るだけでなく、ストレス背景を整えるアプローチとしても効果的です。


まとめ

鍼灸は、

  • 咀嚼筋の緊張をほぐし、顎関節の負担を減らす

  • 痛みや開口制限の改善

  • ストレスをやわらげ、自律神経のバランスを整える

という二重のアプローチで、食いしばりや顎関節症に有効です。