甲状腺機能低下と不育症の関係

流産を繰り返す方へ

甲状腺機能低下と不育症の関係

流産を経験された方の多くが

「子宮に問題があるのでは」
「私の体が弱いから?」

と、ご自身を責めてしまいます。

ですが、妊娠を維持するために大切なのは
子宮だけではありません。

その土台を支えているのが
甲状腺ホルモンです。


甲状腺ホルモンの役割

甲状腺ホルモン(T3・T4)は

・全身の代謝を調整
・子宮内膜の成熟
・胎盤形成
・妊娠初期の胎児(特に脳)の発育

に深く関わっています。

妊娠初期の赤ちゃんは
自分で甲状腺ホルモンを作ることができません。

そのため、母体のホルモン状態に大きく依存します。


妊活中のTSH基準は「一般」と違う

一般的なTSH基準値は
0.4〜4.0 mIU/L前後とされています。

しかし日本甲状腺学会や海外ガイドラインでは、

妊娠希望・妊娠初期はTSH 2.5以下が望ましい

とされています。

理由は、

TSHが2.5を超えると
流産率の上昇との関連が報告されているためです。

特に

・反復流産
・原因不明不育症
・高温期が安定しない方

では一度確認する価値があります。


橋本病(甲状腺自己抗体)との関係

TSHが正常でも注意したいのが

・TPO抗体
・サイログロブリン抗体

といった甲状腺自己抗体の存在です。

自己抗体が陽性の場合、

甲状腺機能が正常範囲でも
流産リスクがやや高くなるという報告があります。

これは自己免疫の影響が
着床や胎盤形成に関わると考えられています。


甲状腺機能低下のサイン

・冷えが強い
・むくみやすい
・疲れやすい
・低体温
・高温期が不安定
・子宮内膜が厚くなりにくい

こうした症状がある場合、
甲状腺のチェックは一つのヒントになります。


治療とサポート

TSHが高い場合は
医療機関での甲状腺ホルモン補充療法が基本です。

適切に治療すれば
流産リスクは大きく改善することがわかっています。


鍼灸でできること

鍼灸は甲状腺を直接治療するものではありません。

しかし、

・自律神経の安定
・血流改善
・低体温の改善
・黄体機能のサポート
・慢性的ストレスの軽減

といった「妊娠を維持できる体の土台づくり」に
大きく関わります。

ホルモンは単独で働いているのではなく、
全身のバランスの中で調整されています。

だからこそ、
全体を整えるアプローチが意味を持ちます。


最後に

流産は、決してあなたのせいではありません。

もし原因がわからないまま不安を抱えているなら、
一度、TSHの数値を確認してみてください。

知ることは、前に進む力になります。

そして整えることは、
未来を守る準備になります。