妊活中の「休む」って何をすればいい?頑張り屋さんに知ってほしい身体の力の抜き方

「考えすぎないで、リラックスしてね」

妊活中、そんなふうに言われたことはありませんか?

でも実際には、

「どうやってリラックスすればいいの?」
「横になっていても頭の中がずっと動いている」
「気づくと肩やアゴに力が入っている」
「休んでいるはずなのに、なんだか疲れが抜けない」

そんな方も少なくありません。

妊活中は、通院や治療のこと、採卵や移植の予定、仕事との両立、これからのことなど、考えることがたくさんあります。

自分では普通に過ごしているつもりでも、心と身体はずっと緊張していることがあります。

だからこそ今回は、妊活中の「休む」について、少し違った視点から考えてみたいと思います。

「横になる=身体が休んでいる」とは限りません

疲れた時にソファでゴロゴロしたり、早めにベッドに入ったりすることはもちろん大切です。

でも、身体を横にしていても、

  • 頭の中では明日の予定を考えている
  • スマホをずっと見ている
  • 肩が上がったまま
  • 奥歯を噛みしめている
  • 呼吸が浅い

ということがあります。

この状態では、身体は完全にはゆるんでいないかもしれません。

ストレスが続くと、心拍や呼吸などに変化が起こる「ストレス反応」が生じます。一方、ゆっくりした呼吸や筋弛緩法などのリラクゼーション法は、身体の「リラクゼーション反応」を促す方法として知られています。

つまり、妊活中の「休む」は、

何もしないことだけではなく、身体が「もう力を抜いていい」と感じられる時間をつくること

とも言えます。

まずは「力が入っていること」に気づく

力を抜くために最初に必要なのは、

今、力が入っていることに気づくこと。

一度、身体をチェックしてみてください。

肩は上がっていませんか?

眉間に力が入っていませんか?

奥歯を噛みしめていませんか?

呼吸を止めていませんか?

以前の記事でもご紹介したように、日中の食いしばりでは「歯を離す」ことを意識するなど、まず自分の癖に気づくことが大切です。NIDCRでも、日中の噛みしめではリマインダーを使って歯を離すことを意識する方法が紹介されています。

力を抜けない時は、一度「力を入れてから抜く」

「肩の力を抜いてください」

と言われても、そもそも力が入っている状態が当たり前になっていると、どう抜けばいいのか分からないことがあります。

そんな時に使えるのが、漸進的筋弛緩法の考え方です。

これは、

筋肉に一度力を入れる → その後ゆるめる

ことで、緊張と弛緩の違いを身体で感じる方法です。

NCCIHでも、筋肉を緊張させたあとに力を抜く「progressive relaxation」がリラクゼーション法のひとつとして紹介されています。

簡単にできる肩の脱力ワーク

  1. 肩を耳に近づけるように、ぎゅーっと上げます
  2. 5秒ほどキープします
  3. 「ハァ〜ッ」と息を吐きながら、肩をストンと落とします
  4. 力が抜けた感覚を数秒味わいます5A322CFE-2661-41D9-898E-CC8A6672E411.jpg を表示しています

ポイントは、

「抜かなきゃ」と頑張らないこと。

「さっきより肩が軽いな」

そのくらいで十分です。

呼吸は「吐くこと」を意識して

身体をゆるめる時は、呼吸も大切です。

ストレスを感じている時は、呼吸が浅く速くなりやすいもの。

反対に、ゆっくりとした深い呼吸は、ストレス軽減を目的としたリラクゼーション法のひとつとして研究されています。

難しい呼吸法をする必要はありません。

鼻からゆっくり吸って、

「ハァ〜ッ」と少し長めに吐く。

これだけでもOKです。

「吸うこと」よりも、

最後までゆっくり吐くこと

を意識すると、肩やお腹の力も抜きやすくなります。

寝る前は「目と頭」を休ませる

ベッドに入るギリギリまでスマートフォンを見ている方も多いと思います。

妊活中は、

「検索したいことがある」

「同じ治療をしている人の投稿が気になる」

「つい妊活情報を調べてしまう」

ということもありますよね。

でも、頭を休ませたい時間まで情報を入れ続けると、考えることからなかなか離れられません。

NCCIHでも、良い睡眠習慣のひとつとして、寝る直前のスマートフォン・パソコン・テレビなどの強い人工光を避けることが紹介されています。

できれば寝る前の30分程度は、

  • スマホから離れる
  • 部屋の照明を少し落とす
  • 温かいアイマスクを使う
  • 蒸しタオルで目元を温める
  • 静かな音楽を聴く

など、情報を入れる時間から「感じる時間」に切り替えてみましょう。

「温かい」「心地いい」という感覚を使う

リラックスしようと頭で考えるより、

身体から心地よさを作る

ほうがうまくいく人もいます。

例えば、

  • 温かい飲み物をゆっくり飲む
  • お風呂にゆっくり入る
  • 足元を冷やさない
  • やわらかい毛布に包まれる
  • 好きな香りを楽しむ

など。

「少し温かいな」

「気持ちいいな」

「ホッとするな」

そんな感覚を味わう時間をつくってみてください。

休むことが苦手な方ほど、

「何もしない」ではなく、「心地よいことをする」

と考えると取り入れやすくなります。

妊活鍼灸では、お灸を使うこともあります

妊活鍼灸では、身体の状態や体質に合わせて、適切なツボにお灸をします。

お灸は、温熱刺激を利用した鍼灸治療のひとつです。

当サロンでは、冷えの状態や月経周期、身体の緊張などを確認しながら、その方に合ったツボを選んで施術します。

また、自宅でも安全に取り入れられる場合には、セルフ灸をご案内しています。

お灸は、子宮まわりの血流や内膜環境を整えるサポートとなります。

ただし、お灸だけで妊娠率が上がる、子宮や卵巣の血流が必ず改善するといった単純なものではありません。

妊活では、

  • 睡眠
  • 食事
  • 適度な運動
  • 治療との付き合い方
  • ストレスとの向き合い方

などを含めて、身体全体を整えていくことが大切です。

1日5分でも「ホッとする時間」を

妊活中の「休む」は、ただゴロゴロすることではありません。

大切なのは、

「あ〜、心地いいな」

「身体がホッとしてるな」

と感じられる時間をつくること。

それは5分でも構いません。

朝起きて温かいお茶を飲む時間でもいい。

仕事の合間に目を閉じて深呼吸する時間でもいい。

お風呂上がりに少しストレッチする時間でもいい。

毎日完璧に続ける必要もありません。

「今日は少し休めた」

それで十分です。

頑張り屋さんほど「休むこと」まで頑張らないで

妊活中は、どうしても

「もっと良いことをしなきゃ」

「もっと食事を整えなきゃ」

「もっと運動しなきゃ」

「早く結果を出したい」

と思いやすくなります。

でも、

休むことまで“課題”にしなくて大丈夫です。

リラクゼーション法についても、すべての人に同じ効果があるわけではなく、気持ちよく続けられる方法を選ぶことが大切です。NCCIHも、リラクゼーション法は一般的には安全としつつ、特定の疾患の治療に置き換えるものではないとしています。

「今日は深呼吸だけ」

「今日はお風呂だけ」

それくらいで十分。

妊活は長い道のりになることもあります。

だからこそ、

頑張れる身体だけではなく、ちゃんと休める身体をつくること

も大切にしてほしいと思っています。

一人ではなかなか力を抜けない方へ

「何をしても身体が緊張している」

「寝ても疲れが抜けない」

「自分に合ったセルフケアが分からない」

そんな方もいらっしゃいます。

当サロンでは、お一人おひとりの身体の状態や体質を確認しながら、

鍼灸施術+ご自宅でできるセルフケア

をご提案しています。

頑張り続ける毎日から、

ふっと力を抜ける時間を。

心と身体が、

「今は休んでいいんだ」

と思える時間を、一緒につくっていきましょう。

妊活中だからこそ、何かを「足す」ことだけではなく、

自分をいたわること、ゆるめること、休ませること

も大切な身体づくりのひとつです。

参考

リラクゼーション法や漸進的筋弛緩法、呼吸法については、米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)の情報を参考にしています。
睡眠前のスマートフォンなどの光刺激や睡眠習慣についても、NCCIHの睡眠に関する情報を参考にしています。
日中の食いしばりについては、米国国立歯科・頭蓋顔面研究所(NIDCR)のブラキシズムに関する情報を参考にしています。