「更年期に関節が痛い・朝に手がこわばる原因は?女性ホルモンとの関係と対処法」

「朝起きると、指がこわばって動かしにくい」

「以前はなんともなかったのに、最近、手首や膝が痛い」

「手だけでなく、肩や股関節、足首まであちこち気になる」

40代、50代になってから、このような身体の変化を感じていませんか?

「使いすぎかな?」

「年齢だから仕方ないのかな?」

と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

実は、筋肉や関節の痛みは、更年期の女性に比較的多くみられる症状です。

一方で、関節の痛みや朝のこわばりは、すべてを「更年期だから」と説明できるものではありません。

中には関節リウマチなど、早めに医療機関で確認した方がよい病気が隠れていることもあります。

今回は、更年期と関節の痛みとの関係、受診した方がよいサイン、日常生活でできること、そしてLa Domaniでの鍼灸についてお話しします。


更年期になると関節や筋肉が痛くなることがある?

あります。

2026年に発表された37研究・93,021人を対象とした系統的レビュー・メタ解析では、筋肉または関節の痛みを経験した女性は、閉経前では約40%だったのに対し、**周閉経期では57%、閉経後では59%**でした。

つまり、閉経への移行期以降では、筋肉や関節の痛みを訴える女性が多くなる傾向が確認されています。

以前の研究でも、更年期の移行期には筋骨格系の痛みが多くみられることが報告されています。

そのため、

「更年期になってから身体のあちこちが痛くなった気がする」

という感覚そのものは、決して珍しいものではありません。


女性ホルモン「エストロゲン」と関係があるの?

更年期には、卵巣機能の低下に伴って女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが大きく変動しながら減少していきます。

エストロゲンは生殖機能だけではなく、骨・筋肉・腱・関節など筋骨格系にも関係しています。

近年は、性ホルモンの変化や低下と、筋骨格系の痛みや変形性関節症との関連について研究が進んでいます。

ただし、ここは大切なポイントです。

「エストロゲンが減った=関節痛の原因」と単純には言えません。

更年期に関節や筋肉の痛みが増えることは確認されていますが、エストロゲン低下だけが直接の原因であると断定できるほど、医学的な仕組みが解明されているわけではありません。

2018年のレビューでも、更年期と筋骨格痛との関連は強く示唆される一方、エストロゲン欠乏との明確な因果関係については十分な証拠がないとされています。

2026年の最新レビューでも、更年期の痛みにはホルモン変化だけでなく、睡眠、心理的ストレス、体格、併存疾患など複数の要因が関係することが指摘されています。

ですから、

「女性ホルモンだけを見るのではなく、身体全体を見る」

ということが大切なのです。


朝の「手のこわばり」はチェックしておきたい症状

更年期の女性からよく聞く症状のひとつが、

「朝、手がこわばる」

というものです。

朝起きた直後に、

「指が曲げにくい」

「グーが作りにくい」

「指の関節が痛い」

「手首まで痛む」

「しばらく動かしていると少し楽になる」

と感じることがあります。

そんなときは、ただ「手が痛い」で終わらせず、

いつから始まったのか、何分くらい続くのか、どこの関節なのか、左右両方なのか、腫れや熱感があるのか

などを観察してみましょう。

スマートフォンなどに症状を記録しておくと、医療機関を受診するときにも役立ちます。


「更年期だから」と決めつけないことが大切です

ここは、今回の記事で一番お伝えしたいことです。

更年期の時期に関節や筋肉の痛みが増えることはあります。

しかし、

40代・50代の関節痛=更年期によるもの

ではありません。

特に注意したい病気のひとつが、**関節リウマチ(RA)**です。

日本リウマチ学会によると、関節リウマチでは、関節の痛みや腫れ、朝のこわばりなどがみられます。手足の指や手首に症状が出ることが多く、肩・肘・膝・足首などに出る場合もあります。

また女性は男性より多く、40~60歳代での発症が多いとされています。

つまり、ちょうど更年期と重なる年代なのです。

そのため、

「更年期だから手が痛いんだろう」

と自己判断して長期間様子を見るのはおすすめできません。


こんな症状があったら、一度医療機関へ

特に、

関節が腫れている、熱をもっている、朝のこわばりが続く、複数の関節が痛む、左右同じような場所に症状がある、痛みや動かしにくさが続く、日常生活に支障が出ている

といった場合には、一度医療機関へ相談してください。

なお、関節リウマチは「必ず左右対称に痛む」とは限りません。日本リウマチ学会も、左右対称の複数関節に症状が出ることが多い一方、片側だけ、あるいは少数の関節だけの場合もあるとしています。

「左右対称じゃないからリウマチではない」と自己判断しないことも大切です。


更年期の関節の不調に、日常生活でできること

病気の有無を確認したうえで、毎日の身体の使い方も見直してみましょう。

1.痛くない範囲で身体を動かす

ウォーキングやストレッチ、ヨガなど、無理なく続けられる運動を取り入れてみましょう。

筋肉を保つことは、関節を支えるうえでも大切です。

ただし、痛みや腫れが強いときに無理に動かす必要はありません。

「痛くても頑張って動かす」のではなく、その日の状態に合わせましょう。

2.冷やしすぎない

冷えると関節が動かしにくいと感じる方もいます。

入浴したり、手足を心地よく温めたりすることで楽になるのであれば、日常のセルフケアとして取り入れてもよいでしょう。

ただし、赤く腫れて熱をもっている関節を自己判断で積極的に温めることは避け、医療機関に相談してください。

3.食事を整える

更年期以降は、関節だけでなく筋肉や骨を維持していくことも大切になります。

特定の食品やサプリメントだけで関節痛を治そうとするのではなく、たんぱく質、野菜、魚、豆類などを取り入れたバランスのよい食事を基本にしましょう。

4.睡眠と休息を大切にする

更年期には、関節の不調だけでなく、

「眠れない」

「夜中に何度も目が覚める」

「朝起きても疲れている」

という悩みが重なることがあります。

近年の研究でも、睡眠障害や心理的ストレスなどは、更年期の痛みの感じ方や生活への影響に関係することが指摘されています。

身体を整えるためには、運動だけでなくきちんと休むこともセルフケアです。


HRTをすれば関節痛は良くなるの?

「エストロゲンが関係するなら、HRT(ホルモン補充療法)で関節痛も良くなるの?」

と思う方もいるでしょう。

ここも慎重に考える必要があります。

日本女性医学学会のHRTガイドライン案では、関節痛に対してHRTが**「有効な可能性がある」**とされていますが、エビデンスの確実性は高くありません。

さらに2026年に発表された57研究・約396万人を含む系統的レビューでは、HRT使用者と非使用者を比較した統合解析で、一般的な筋骨格痛に明確な差は認められず、変形性関節症や関節リウマチについても研究結果にばらつきがありました。

したがって、

「関節が痛いからHRTをすればよい」

と単純に考えるのではなく、ほてり・発汗など他の更年期症状、年齢、既往歴などを含めて、婦人科で相談することが大切です。


東洋医学では「痛いところ」だけを見ません

東洋医学では、手が痛ければ手だけ、膝が痛ければ膝だけを見るという考え方ではありません。

La Domaniでは、

睡眠・疲労・冷え・ほてり・発汗・ストレス・月経の変化・食欲・便通など

身体全体の状態を確認します。

東洋医学では「気」「血」などの巡りや身体全体のバランスをみながら、その方の状態を捉えていきます。

同じ「手のこわばり」がある方でも、

冷えが強い方、ほてりがある方、睡眠不足が続いている方、疲労が強い方、ストレスや緊張が強い方では、身体の状態は同じではありません。

だからこそ、

症状の名前だけではなく、その人の身体全体をみる。

La Domaniでは、そんな視点を大切にしています。


更年期の関節の不調と鍼灸

La Domaniでは、更年期に関節の不調を感じている方についても、痛みのある場所だけでなく、身体全体の状態を確認しながら鍼灸施術を行います。

ただし、ここでも大切にしていることがあります。

鍼灸だけですべてを解決しようとしないことです。

関節の腫れや熱感、強い朝のこわばり、症状の持続など、医学的な評価が必要と考えられる場合には、まず医療機関で原因を確認することが大切です。

必要な検査や治療は医療で。

そのうえで、

身体全体をみながら不調に寄り添う選択肢のひとつとして鍼灸を取り入れる。

La Domaniでは、医療と鍼灸を対立するものとは考えていません。


「歳だから仕方ない」と我慢しないで

更年期は、女性の身体が大きく変化する時期です。

ほてりや汗だけではありません。

「朝、手がこわばる」

「指が痛い」

「手首や膝が気になる」

「身体のあちこちが以前と違う」

そんな変化を感じることもあります。

研究でも、筋肉や関節の痛みは閉経への移行期以降の女性に多くみられることが分かってきました。

だからといって、

「更年期だから仕方ない」
「もう歳だから仕方ない」

と我慢する必要はありません。

まず身体から出ているサインに気づくこと。

必要なときには医療機関で原因を確認すること。

そして、食事・睡眠・運動・休息など毎日の生活を整えながら、これからの身体を大切にしていくこと。

更年期は「我慢する時期」ではなく、これからの自分の身体と向き合うきっかけにもできます。

La Domaniでは、関節の痛みだけでなく、冷え・ほてり・睡眠・疲労なども含め、身体全体の状態を伺いながら施術を行っています。

「これも更年期なのかな?」
「病院に行くほどではないと思うけれど、つらい」

そんなときも、お気軽にご相談ください。

更年期の身体の不調、
鍼灸で一緒に整えてみませんか?

La Domani

女性のからだと、これからの未来に


参考文献・参考情報

今回の記事は、日本リウマチ学会の関節リウマチ解説、日本女性医学学会のHRTガイドライン資料、およびPubMed収載の更年期と筋骨格痛に関する系統的レビュー・レビュー論文を確認して作成しています。特に2026年の最新メタ解析では、更年期移行期と筋肉・関節痛の関連が示される一方、原因や治療についてはまだ不明な点が多いことも確認されています。

日本リウマチ学会「関節リウマチ」
更年期の筋骨格症状に関する2026年系統的レビュー(PubMed)
HRTと筋骨格痛に関する2026年系統的レビュー(PubMed)